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建築基準法と構造計算の違い(その1)

今回のテーマは
『建築基準法と構造計算』です。

まず、建築基準法は法律で定められているものなので、絶対に守らなくてはなりません。


対して構造計算は、木造2階建ての一般住宅には義務づけられていません。


今日は建築基準法についてお話していきます。


基準法の中には様々な決めごとがありますがその中でも建物の強度についてのお話です。


1、必要な量の耐力壁がバランスよく配置されているか
2、柱の金物補強は適切か
3、梁の太さは適切か


木造2階建、一般住宅くらいの大きさであれば、建築基準法の決めごとは、これだけなのです。



では詳しく見ていきましょう。



1、必要な量の耐力壁がバランスよく配置されているか


建物の大きさから、地震の揺れ、台風などに抵抗する『耐力壁の量』を求めます。


耐力壁は筋交いや構造用合板でしたね。
次にその必要な壁をバランスよく配置していきます。


「この仕様で床面積40坪の家なら、 耐力壁(筋交い)は○○ヶ所必要だね。
 それをバランスよく配置してね」という、ちょっと曖昧なものです。



2、柱の金物補強は適切か


普段柱は、上にあるもの(建物の重さや住んでいる人、家具など)の重さを受けています。


上から下へ力が掛かっているのですが、地震などの大きな力が加わり一枚の耐力壁に大きな力が集中した場合、下から上に力が掛かることがあります。


それを押さえるための金具が柱に適切に配置されていればOKなのです。


柱は一般的には3寸5分角と呼ばれる10.5㎝角のものがよく用いられますが、


問題なのは、それが縦の力にに耐えられるかどうかは関係ないということです。



3、梁の太さは適切か


柱と柱を繋いでいる梁。
当然柱と柱の距離が長くなると長い梁が必要になります。


そこに細い梁を使うと、簡単にたわんでしまいます。


それでは家を支えられません。

ですので、長ければ長いほど、太い梁が必要になります。


ではどのようにして梁の太さを出しているのでしょうか?


それはスパン表と呼ばれる、梁の長さに応じた寸法を求める表を用いたりカンだったりします。

怖いです、大事な構造材をカンで決めるなんて。


基準法で決められている建物の強度は、正直なところ、この程度なんです。


重要なのは、力の流れを見極め、それぞれの部材に掛かる力に耐えうる材料を配置することなのですが、基準法ではそれらのポイントが抜けてしまっているのです。


必要最低限のことを建築基準法で求めてるだけなのです。


次回は基準法で欠けている部分を補う『構造計算』についてお話しします。

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