直近の温度データから考える
前回の記事では、水田建設の新事務所で測定している温度データをご紹介しました。
約25坪の空間を、ロフトに設置した14帖用エアコン1台で空調し、屋外・事務所内・ロフト・床下の温度を測定しています。
今回は、その後の直近データをもとに、
高気密高断熱住宅で室温が安定しやすい理由
について考えてみます。

直近のデータを見ると、外気温は26℃前後から、暑い時間帯には38℃を超える日もありました。
かなり厳しい暑さですが、事務所内の温度はおおむね26〜28℃程度で推移しています。
外気温が大きく変化している中でも、室内温度は急激には乱れていません。
ここが、高気密高断熱の建物の大きな特徴です。
断熱性能が高いことで、外の熱が室内へ伝わりにくくなります。
また、気密性能が高いことで、冷やした空気が外へ逃げにくくなります。
そのため、外が暑くなっても室内温度が急激に上がりにくく、エアコンの効きも安定しやすくなります。
14帖用エアコン1台で、約25坪を空調
今回の新事務所では、ロフトに設置した14帖用エアコン1台で、約25坪の空間を空調しています。
25坪は、単純に帖数へ換算すると50帖程度の広さです。
一般的な感覚では、14帖用エアコン1台では小さいと感じるかもしれません。
しかし、高気密高断熱の建物では、必要な空調能力は床面積だけで決まるわけではありません。
外から入ってくる熱が少なく、冷やした空気が逃げにくければ、小さめのエアコンでも室温を保ちやすくなります。
今回のデータでも、建物性能と空調計画によって、室内温度が比較的安定していることが確認できます。
38℃を超える日は、少し暑さも感じました
一方で、外気温が38℃を超えるような日は、室内でも少し暑さを感じる時間帯がありました。
温度データとしては大きく乱れていなくても、体感としては「もう少し涼しさがほしい」と感じる場面があります。
快適性は、温度だけで決まるものではありません。
湿度、空気の流れ、日射、服装、作業量などによっても感じ方は変わります。
同じ室温でも、湿度が高かったり、空気の動きが少なかったりすると、暑く感じることがあります。
このあたりは、実際に測定し、体感してみないとわかりにくい部分です。
室温が安定することは、快適性につながる
高気密高断熱住宅の価値は、単に「夏涼しい」「冬暖かい」だけではありません。
外気温の影響を受けにくく、室温が急激に変化しにくいこと。
これが、日々の快適性につながります。
室温の変化がなだらかであれば、エアコンを強く効かせすぎる必要も少なくなります。
また、室内の温度ムラも抑えやすくなります。
今回のデータからも、外気温が大きく上がる中で、室内温度が比較的安定している様子が確認できました。
今後の検討課題
今回の結果は、高気密高断熱の建物性能を確認するうえで良いデータになりました。
一方で、外気温が非常に高い日には、室内でも少し暑さを感じる時間帯があります。
今後は、エアコンの運転方法、ロフトからの空気の流れ、換気方式、床下エアコンの活用なども含めて、より快適な室内環境を検討していく予定です。
また、少し前のデータを見ると、夜から朝方にかけて外気温が室温より低くなる時間帯もありました。
次回は、暑くなる時期に朝方の涼しい外気をどう活かすか、換気方式の課題も含めて考えてみます。
まとめ
直近の温度データでは、外気温が38℃を超える日でも、事務所内の温度はおおむね26〜28℃程度で推移していました。
約25坪の空間を、ロフトに設置した14帖用エアコン1台で空調していることを考えると、室温は比較的安定しているといえます。
一方で、厳しい暑さの日には少し暑さを感じる時間帯もありました。
高気密高断熱住宅は、室温を安定させやすい大きなメリットがあります。
そのうえで、湿度や空気の流れ、換気方式も含めて調整していくことが、より快適な住まいにつながると考えています。
