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G3と「無暖房住宅」の構想― なぜ戸建てでは見直されたのか ―

HEAT20の検討過程において、
G3は当初、非常に高い断熱性能を備えた水準として構想されました。
その背景には、「無暖房に近い住宅」を実現できないか、という強い問題意識がありました

外皮性能を極限まで高めれば、室温は外気の影響を受けにくくなります。
日射取得や内部発熱を活用することで、暖房に頼らず一定の室温を維持できるのではないか。
そうした可能性が議論されていました。

しかし、検討が進む中で、戸建て住宅ではいくつかの現実的な壁が明らかになります。

第一に、戸建ては外皮面積が大きく、集合住宅に比べて熱損失が構造的に不利であること。
隣戸に囲まれる集合住宅とは異なり、
四方が外気に接する戸建てでは、同じUa値でも熱の逃げ方が大きくなります。

第二に、地域差の問題です。
日本は気候が多様であり、日射条件や冬季外気温は地域ごとに大きく異なります。
特定の地域や特定のプランで成立する無暖房モデルを、全国的な基準として一般化することは難しいと判断されました。

さらに、居住者の生活スタイルも影響します。
窓の開閉、在宅時間、内部発熱量などによって室温は変動します。
「暖房なしで成立する住宅」を基準化することは、実使用環境との乖離を生む可能性がありました。

こうしてHEAT20は、戸建て住宅において「無暖房住宅」を目標に据えることは現実的ではないと整理します。

その結果、G3は「無暖房」そのものを目指す水準ではなく、

・全館連続暖房が極めて小さなエネルギーで可能
・最低室温を高いレベルで安定させられる
・エネルギー消費を大幅に削減できる

という、“超高断熱による安定した温熱環境”を目標とする水準へと再定義されました。

G3は理想を追い求めた挑戦の結果として生まれた水準です。
しかしHEAT20は、理念だけでなく、実装可能性も重視しました。
無暖房という象徴的な目標から一歩引き、
「少ないエネルギーで、安定した室温を実現する住宅」へ

その現実的な再整理こそが、G3の位置づけを明確にした経緯なのです。

水田昌孝社長

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