一般的には、吹抜がある建物の強度は低くなる傾向があります。
前回床などの水平面の強さが重要というお話をしましたが、
その部分が吹抜によって無くなるため、水平面が弱くなりがちです。
又、強い風が吹いたとき、外壁を押す力が働きますが、
これに抵抗する部分は一般的には各階の床面になるのですが、
吹抜があるとこの点でも注意が必要になってきます。

でも安全性を担保する方法はあります。
吹抜で減ってしまった床面でも、まだ残っている床面を強くし、
床面に掛かる力よりも耐力を持たせてあげればOKになります。
又、床に掛かる力は耐力壁の間隔が狭くなれば、
それに応じて少なくなるので、
耐力壁間の距離を多くしないなどの対策も有効です。
強風に対する抵抗も、風の力よりも強い材料を配置してあげれば問題は解決できます。

私は構造設計者として、建物の安全性は重要と考えますが、
安全な範囲の中で、どれだけ居住性を高めることができるかは、
更に重要だと思います。
安全なだけの住宅であっては、
本当の高品質な住宅ではないと考えます。